現役大学生の約9割が、Instagramの「ストーリー投稿」よりも「フィード投稿」に対して強い抵抗感を抱いていることが、株式会社RECCOO(本社:東京都渋谷区)が運営するクイックリサーチサービス『サークルアップ』の調査で明らかになった。投稿内容だけでなく、投稿形式そのものが学生の心理に影響を与えている実態が浮き彫りとなった。
調査は、InstagramやBeRealの投稿に対する大学生の意識を調べたもの。Instagramの利用については、学生の76%が何らかの投稿を行っているが、そのうちフィード投稿をしているのはわずか16%にとどまった。一方でストーリー投稿を選ぶ学生は60%にのぼり、投稿形式に対する明確な傾向が見て取れる。
Instagramでフィード投稿よりもストーリーを選ぶ理由として、もっとも多く挙げられたのが「一日で消えるから」という回答である。フィードはプロフィール上に半永久的に残るのに対し、ストーリーは24時間で消えるという性質が、投稿への心理的ハードルを下げていると考えられる。また、「他に投稿している人が少ないから」「承認欲求が強いと思われそう」などの声も多く、投稿すること自体よりも、その行為が持つ“印象”への配慮が背景にあるようだ。加えて「キャプションを考えるのが面倒」「アカウントのトップに表示される」といった具体的な負担感を挙げる意見もあった。
投稿だけでなく閲覧においても、ストーリーの優位性は際立っていた。フィードよりもストーリーを開く頻度が高いという学生が多数を占め、その理由として、投稿する友人が多いことや、ストーリーを見る習慣が自然と定着していることが影響していると推測される。
同じく調査対象となったSNS「BeReal」に関しては、投稿に対する抵抗感があると回答した学生は32%にとどまり、Instagramのフィード投稿に対する抵抗感よりも低い水準となった。BeRealは投稿タイミングが限定され、内外カメラの同時撮影が求められるなど制約の多いSNSだが、それでも比較的気軽に利用されている理由として、「一日で投稿が消える」「みんながやっている」「毎日の習慣になっている」といった点が挙げられている。
今回の調査から、大学生がSNSに求めるのは投稿の中身ではなく、「気軽さ」「共感性」「習慣性」といった形式的な要素であることがうかがえる。投稿が時間とともに消える安心感、周囲と同じ行動を取ることで得られる安心感、日々の生活に自然に組み込める仕組みが、SNSにおける重要な要素となっているようだ。今後、こうした感覚を重視したSNSがさらに浸透していく可能性が高い。
RECCOOでは、現役大学生のプロジェクトチームと共に、Z世代のリアルな意識を反映した調査レポートを発信している。調査データの詳細や転載については、同社のウェブサイトから問い合わせが可能だ。
Z世代の行動や感覚を捉えるには、表面的な傾向ではなく、彼らが感じている「本音」に注目することが求められている。