株式会社ゲームガム(本社:鳥取県境港市、代表取締役:黒田隆史)は、全国のゲームクリエイターを対象とした新たな創作コンテスト「GameJam(ゲームジャム)」を、2025年5月1日より開始した。Robloxを活用した作品制作を軸に、毎月開催されるこのイベントは、創造力と技術力を競い合う場として設計されており、参加者に対して勉強会やチームビルディング支援、作品公開の機会などを提供する。第1回の応募期間は5月31日までで、結果発表は6月10日を予定している。

このコンテストは、個人や小規模チームのクリエイターに向けて明確な制作目標と発表の場を与えることにより、創作活動を継続しやすい環境を整えることを目的としている。特にRobloxにおいては、ユーザーが独自にゲームを制作・公開できる点に注目が集まっており、2024年第4四半期には1日あたり8,530万人のアクティブユーザーを記録した。ゲームガムは、こうした世界的潮流に対し、日本のクリエイターが持続的に挑戦できる仕組みを構築しようとしている。

Robloxは、無料で高度なゲーム開発が可能なRoblox Studioなどのツールを提供しており、近年ではプログラミング教育の一環としても注目されている。実際に2024年には、クリエイターコミュニティ全体で1,384億円以上の収益が発生し、10代の若者が年間10億円超を稼ぎ出す事例も報告されている。このような状況にもかかわらず、日本のクリエイターが成長の波に乗るには、技術情報の不足、明確な目標設定の困難さ、仲間との協働機会の不足といった課題が立ちはだかっている。

GameJamでは、こうした障壁の克服に向けた支援体制も整えている。週2回のオンライン勉強会や3Dモデルの提供、チーム構築のサポートを通じて、技術的な課題への対応とクリエイター同士のつながりを促進する。また、参加者には作品の応募機会とともに、GameStudyやSNSなどでの紹介が行われ、ポートフォリオ構築にもつながる。コンテストの審査は、クリエイター同士の相互評価や審査員による評価を組み合わせて行われ、優秀作品には賞金5,000円が授与される。

この取り組みにあわせて、株式会社ゲームガムではスポンサーおよび共創パートナーの募集も開始した。50,000円からのロゴ掲載プランや、1,000,000円の総合支援プランなどを用意し、ゲーム・エンタメ業界の人材発掘や技術交流を支援する仕組みを提供する。また、全国の開発コミュニティやインディーゲーム制作者との連携を通じて、「GameJam」を各地域の定期イベントとして活用する構想も進めている。

今後は、同社が運営する学習プラットフォーム「GameStudy」との連携を強化し、知識の習得から実践までを一貫して支援する環境を整える。また、大手企業との協業によるコンテストや、教育機関との連携プログラムの実施を視野に入れ、専門性の高い分野への展開も計画している。将来的には年間アワードやカンファレンスの開催を通じて、国内ゲーム開発界のハブとなることを目指している。

代表取締役の黒田氏は「子どもの頃に好奇心を追求できる場が少なかった経験から、夢を共に描ける場としてGameJamを立ち上げた」と語る。創作の楽しさと成長を感じられるこの取り組みは、世代を超えてゲーム制作という新たな表現の可能性を広げていくことになりそうだ。